最近「ちょっと調子が悪いと思ったら大きな病気だった」という話をよく聞きます。
最初の症状は本当に些細なもので、病院に行くほどでもないかなと放置しそうになったのを、なんとなく思い立って病院に行ったら即入院になったとか。
「そんなことそうそうないよ」と思う方も多いと思うのですが、実は入院までいかなくても大きな病気の予兆だったなんてことはよくある話なんです。
むしろ予兆がなくて大騒ぎになることだってあることを思えば予兆があるのは幸運かもしれません。
そんな予兆の中でも代表格なのが「頭痛」と「吐き気」です。
ちょっと風邪気味だったりとか、飲みすぎたりとか、大事でもない時にも起こる症状ですが、中にはちょっと放置してはいけないものも含まれるので厄介です。
その病気の中には肝臓の病気も含まれます。
では、どんな肝臓の病気の際にこれらの予兆が起きるのでしょうか。
そもそも肝臓って?
肝臓は右の脇腹の肋骨の中にある臓器の1つです。
再生能力が高く、ちょっとやそっとじゃ壊れないタフな臓器です。が、その反面再生能力以上に壊れると既にかなり病気が進んでいることもあり、沈黙の臓器として名を馳せています。
働きとしては、主に3つ。
解毒・エネルギーの代謝と貯蔵・胆汁の生成、の3つになります。
どれも重要な働きです。
解毒は、体内に入ってきた有害なものを無害化する働きです。
普段の生活で有害なものなんて口にしないわよと思うかもしれませんが、実は体内で発生してしまう有害なものがあり、それらを解毒してくれています。
またアルコールや薬も解毒対象になります。
エネルギーの代謝と貯蔵は、体内に取り込んだ食べ物を体内で使えるエネルギーに変換して、必要に応じてそれを出したり溜めたりしてくれます。
胆汁は脂質の消化吸収などに使われるもので、絶えず作り続ける必要のあるものです。
つまり、肝臓には重要な仕事がたくさんあるのです。
酷使される肝臓
重要な仕事だらけの肝臓ですので、ちょっとした事でかなり負荷がかかってしまいます。
絶えず働いている肝臓に更に仕事を与えてしまうわけですから、肝臓は疲れてしまいます。
けれど、休むことは出来ません。
だって、肝臓が機能停止したら生きていけません。
そして、これといった大きなサインを出すことなく弱っていってしまうのです。
その弱っていった時に出るサインの中に頭痛と吐き気があるのです。
頭痛が起きる理由
では、何故肝臓が弱ると頭痛がするのでしょうか?
一見関係性はなさそうですよね。
肝臓が弱る原因の1つに脂肪肝という病気があります。
よくアルコールの飲み過ぎでなると言われていましたが、近年はアルコールではなく、肥満などが原因による脂肪肝も増加しています。
脂肪肝になると血液の流れが悪くなります。
血流が悪くなることによって肩や首のコリを引き起こします。
それが原因で頭痛が起きるというのです。
肝臓が直接頭痛を引き起こすわけではありませんが、巡り巡って頭痛が起きてしまうのです。
なので、頭痛の原因を細かく調べると肝機能の低下にたどり着く可能性もあるということです。
ちょっと驚きですよね。
それ以外にも、急性肝炎の場合でも頭痛がみられるそうです。
この場合は頭痛以外にも黄疸や倦怠感などの他の症状も出ることが多いので、この場合は即病院に行ってください。
吐き気が起こる理由
これは、頭痛と違ってまだ関連性がありそうですよね。
吐き気も風邪などのちょっとした体調不良でも現れる症状の1つです。
けれど、これが一時的なものでなく、理由がわからず長く続くと肝臓が原因の場合があります。
仕事の多い肝臓が弱ると、様々な機能が低下してしまいます。
エネルギーの代謝や解毒が滞ってしまうと、疲れやすくなり、吐き気が起こるようになります。
つまり、肝臓の機能の低下がダイレクトに症状に現れたものの1つが吐き気なのです。
ただ、吐き気の原因が肝臓にある場合は、かなり良くない状況です。
もしもその状況が長く続いている場合は血液検査などをして肝臓の状態を確かめてください。
まとめ
私は吐き気がひどく、そこから肝臓に異常があることがわかりました。
その頃は頭痛も頻発していました。
たかが吐き気、たかが頭痛と侮ってはいけません。
何が隠れているかわかりません。
幸い肝臓は血液検査をすれば数値でわかりやすく出ます。
それは脂肪肝でも肝炎でもどんな肝臓の病気でもです。
もしも頭痛や吐き気が長期間続いていて、それが風邪が原因ではないなら一度医師に相談してみてください。
肝臓は早期であれば食事療法や運動などの生活習慣を見直すことで改善できます。
心配な方はぜひ相談してみてください。