健康診断で肝機能の数値が悪いとまず最初に言われるのは「お酒飲みすぎてませんか?」だと思います。
私も肝機能の数値が悪くなった時、まず最初に聞かれたのはお酒のことでした。
それだけ、お酒と肝臓は切っても切れない間柄なのです。
しかも残念なことに基本悪い方の間柄です。酒飲みには辛い現実です。
けれど、いくら好きでも体を悪くしちゃったらどうしようもありません。
泣く泣く諦めるしかないのでしょうか。
でも、ちょっと待ってください。
実は飲むことでむしろ肝臓にいい効果があるお酒もあるんです。それがワイン。
お酒なのに、と思われるでしょうが、ワインは他のお酒とはちょっとだけ違うんです。
その違いを見ていきましょう。
お酒の話
まず、これだけ肝臓に対して悪者扱いされてしまうお酒。
一体お酒の何が肝臓に悪いのでしょうか。
そこから勉強したいと思います。
肝臓は解毒や代謝など、身体にとって重要な働きを担っています。
500種類もの化学反応を行うことから人体の化学工場なんて風に言われることもあります。
それだけ肝臓は生命維持に必要な臓器と言えます。
お酒には当然ですが、アルコールが含まれています。
このアルコールを分解するも肝臓が行っています。
肝臓でアルコールはアセトアルデヒドになります。
そこからさらに最終的には水とガスになって体外に排出されていきます。
このアセトアルデヒドが有害物質で、大量に摂取すると分解が間に合わず蓄積されてしまい、肝機能に問題が起きるようになってしまいます。
長期に渡り蓄積されるとそれが原因で脂肪肝になり、更に進行すると肝硬変になってしまいます。
このように、アルコールは肝臓に大きな負担をかけ、蝕んでいくのです。
だから、お酒は肝臓に良くないと言われているのです。
病院で肝機能の数値が悪いとお酒のことを聞かれるのもこういう理由があるからなんです。
特に肝臓に負担をかけると言われているのはビールです。
ビール好きのそこのあなた!あなたの肝臓大丈夫ですか?
検査してみたほうがいいと思いますよ。
じゃぁ、ワインもダメなんじゃ
その理論で行くと、アルコールを含んでいるワインだって当然肝臓には悪影響を与えるものだと考えるのも無理はありません。
紛れもなくワインはアルコールです。
ところが、近年の研究で脂肪肝の予防にワインが有効であるということが明らかになったのです。
アルコールを含んでいるのになんという矛盾。でも、間違いないそうです。
理由はまだはっきりとはわかっていませんが、ポリフェノールが何かしてるのか、はたまた何か肝臓に負担をかけない成分があるのか、脂肪を燃焼する効果があるのか、何にせよ、ワインは脂肪肝を抑制してくれるそうです。
このへんは今後の研究に期待したいと思います。何にせよ、ワイン好きの方にはこれほどの朗報はないでしょう。
研究によると、1日につきワインをグラス1杯飲んでいた人と全くお酒を飲まない人を比べると、脂肪肝のリスクが9割も飲んでいた人のほうが少なかったそうです。
他のアルコールと比べても、脂肪肝になるリスクは1/4だそうです。なんて優秀。
たくさん飲んでいいの?
もちろん飲み過ぎはよくありません。
何度も言いますが、ワインもアルコールです。
何かが脂肪肝を防いでくれているとしても、アルコールを肝臓が分解するのは他のお酒と変わりません。
先程も書きましたが、1日グラス1杯です。
もう1杯くらい、なんて言いながら何杯も飲んでしまっては折角の効果も意味がありません。
逆に肝臓に負担をかけます。
美味しいワインをたくさん飲みたい気持ちもわかりますが、適度な量を心がけてください。
まとめ
お酒が好きな人にとっては、本当に日々肝臓との戦いだと思います。
休肝日を設けたり、年齢とともに気をつけていかなくてはいけません。
そんな中でグラス1杯のワインの効果は、お酒好きな人には嬉しい話だと思います。
美味しいワイン1杯が肝臓を守ってくれるんですからね。
何度も言いますが、飲みすぎては意味がないです。そこのところだけは心に留め置いてください。
1杯のワインで安心なお酒生活はいかがでしょうか。