肝機能の数値が悪いと真っ先に言われるのは「お酒の飲み過ぎ」と、お酒を飲まない人なら「脂っこいものの食べ過ぎ」でしょう。
両者ともに肝臓に負担をかけて肝機能を低下させる原因になります。
ダブルの人は要注意ですね。
というわけで、肝機能が悪いと油は基本悪者扱いをされます。油が肝臓に良くないと。
もちろん、それも正しいのですが、中には肝臓にいい油もあるそうです。
悪い油といい油。
何が良くて何がダメなのか、見ていきましょう。
なんで油がいけないのか
では、何で油はいけないのでしょうか。
その理由はトランス脂肪酸にあります。
一般的なサラダ油にはトランス脂肪酸が含まれています。
トランス脂肪酸は人工的に作られた油で、自然界には存在しません。
この段階でなんとなく体によくないのは感じますよね。
そんな食べるプラスチックとまで言われる毒素の強いトランス脂肪酸を解毒しようとすれば肝臓に怖ろしいほどの負担がかかります。
そして肝臓にダメージを与えます。
場合によっては肝細胞が破壊されてしまうことも。なんと怖ろしい。
また、過酸化脂質も問題です。
過酸化脂質とは油が活性酸素によって酸化したものです。
過酸化脂質も肝臓で同じく解毒されるのですが、量が多いと肝臓が負けてしまい、肝機能障害を引き起こします。
酸化した油を絶対に使ってはいけないと言われるのはこのためです。
以上のことから、油は肝臓に悪いとされているのです。
日常に潜む油
これだけ悪口を言われるトランス脂肪酸。
実は海外では規制されていて使用が出来なくなってきています。
それだけ体に害があるということがはっきりしているということでしょう。
ジャンクフードのイメージの高いアメリカですら、トランス脂肪酸使用禁止の法案が可決されています。
ところが、日本は未だに規制されていません。
議題に上ったことはあるのですが、それもさらりと流されてしまい、今ではそんな話あったっけ状態。
トランス脂肪酸の入った油って安いんですよ。他の天然由来の油と違って。
下手すれば2倍3倍の値段になります。
昨今の低価格競争の波で安いものを使う、というところでトランス脂肪酸の入ったサラダ油がどうしても主流でなかなか規制に向けての動きは活発になりません。
スーパーやコンビニで油について何も書かれていない安い揚げ物があったならば、かなりの高い確率でトランス脂肪酸の入った油が使われています。
ファーストフード店でも使われているところもあるでしょう。
自分で気をつけようと思っていても、日常の中に危険な油が潜んでいてなかなか難しいのが現状です。
それでも、トランス脂肪酸が体に悪いということは近年認知度が上がってきていて、使用している油が安全であるということをウリにしているところも増えてきています。
スーパーでも多くの種類の油を取り扱うようになりました。
外食ではまだまだ難しくても、自炊で自分の肝臓を守ることは出来ます。
何油がいいの?
こうなってくると気になるのは、何油ならトランス脂肪酸に苦しめられず摂取できるのかということです。
一言で言ってしまえば天然由来の油、ということでしょう。
なんたってトランス脂肪酸は人工的に作られたものですから。
ではその中でも何油がいいのか。
肝臓にいい油はズバリ「えごま油」です。
えごまに含まれているルテオリンという成分が肝臓にいい働きをしてくれるんです。
これは実際にラット実験が行われていて、脂肪肝炎のラットにルテオリンを与えたところ、与えなかったラットと比べて20%~30%も脂肪肝炎の進みが遅くなったといいます。
また3ヶ月与え続けたところ、肝臓の悪化を抑えることが出来たそうです。
ただし、えごま油は熱を加えると成分が変わってしまうので、炒め物等には使えません。
あと酸化しやすいので保存に注意が必要です。
熱を加えて使うならこめ油がオススメです。
こめ油そのものに肝臓の機能を改善する効果があるわけではありませんが、トランス脂肪酸の含有量も少なく、悪玉コレステロールを下げてくれるなどの働きがあり、加熱しても劣化しにくく酸化もしにくいので、いいのではないかと思います。
まとめ
油にも色々あります。
それぞれにメリット・デメリットはありますが、とりあえずトランス脂肪酸は100%だめだということはよくわかりました。
ただ植物油と書いてあると大抵がこのトランス脂肪酸の入った油だそうですので今後チェックしてみてください。
食べるものは自分で選べます。折角選ぶなら体にいいものがいいですよね。
食材だけではなく調味料にも目を向けてみることも大切だとわかりました。
これから家で使う際や外食の際はちょっと油にもこだわって肝臓の健康を守りましょう。