美味しいものを美味しく食べるのはとても大切なことです。
疲れてるときも嫌なことがあったときも辛い時も、食べ物を美味しいと感じられたらちょっとだけ頑張れるようになります。
逆に何食べても美味しくないとそれだけ自分が今だめな状態なんだなと思います。
そういう精神的な問題で味覚がおかしくなることもありますが、そうじゃなくて物理的な問題で味覚に異常をきたすこともあります。
その原因の1つが肝臓の病気です。
何故肝臓が悪くなると味覚もおかしくなるのでしょうか。
味覚がおかしくなる理由
味覚障害はなぜ起こるのでしょうか?
味覚障害は人によって症状が違うのですが、「何を食べても味が薄く感じられる」「何を食べても味がしない」「何を食べてもまずい」「何も食べてないのに口の中に味を感じる」など、本来の味とは違う状態の味がするのが味覚障害です。
何を食べても砂利を食べてるようだという話を聞いたこともあります。
食事が苦痛になるのは生きていく上で良くないことです。
だって、食事をしないと栄養を摂れないのに、美味しくなければ食事をしたいとは思えなくなります。
そうしたら余計に体が弱ってしまいますからね。
原因としてあげられるのは、1つは年齢です。
加齢によって味覚の機能が低下してしまい味を感じにくくなってしまいます。
65歳以上の患者さんが多く、全体の半数にものぼります。
高齢の方で急に味付けが濃くなった場合は加齢による味覚障害が疑われます。
その他にも薬の副作用やガンの治療でも味覚異常を起こすことがあります。
解熱鎮痛剤での味覚異常は珍しい話ではありません。
けれど、薬をやめれば大体元に戻りますので、一時的なものです。
ガンの治療は特に頸部から頭部にかけて治療している人の多くに見られます。
そして、近年の若い人の味覚障害の一番の大きな原因と言われているのは、亜鉛不足です。
食生活の乱れによって亜鉛が不足しがちになっているのです。
亜鉛が不足すると、舌の表面にある味を感じる味蕾という細胞の新人代謝が行われなくなってしまいます。
そして味覚障害になってしまうのです。
他にも添加物の中には亜鉛の吸収を妨げるものもあり、その添加物を含まれる食品を食べることで亜鉛が不足してしまうのです。
こうして味覚障害が起きてしまうのです。
肝臓と亜鉛
では、肝臓はどのように関係してくるのでしょうか。
肝臓が悪くなることで味覚障害が起きるのには大きく2つの理由があります。
亜鉛は普段体内ではアルブミンというものと結合しているのですが、肝臓が悪いとこのアルブミンの量が減ってしまいます。
結合できなかった亜鉛はどうするかというと、代わりにアミノ酸と結合します。
アミノ酸は腎臓からそのまま尿と一緒に排泄されてしまいます。
つまり、アミノ酸と結合した亜鉛も一緒に出ていってしまいます。
そうして体内の亜鉛の量が減ってしまい、味覚障害につながってしまうのです。
また、肝硬変まで進んでしまっていると、腹水や浮腫があるので、それを良くするために利尿剤が使われます。つまり尿の量が増えるわけですから、余計に亜鉛が出ていってしまうという悪循環に陥ってしまうのです。
もう1つは肝機能が衰えると食欲不振になりやすいことです。
私も経験したのですが、肝臓の調子が悪いと、吐き気だったり胃が重かったりして食べ物があんまり食べられなくなります。
更にタンパク質の摂取制限なんかがあるとそこで補っていた亜鉛の摂取量が減ってしまい、亜鉛不足になるのです。
このように、肝臓が悪いことによって亜鉛不足が生じてそれが味覚障害へとつながっていくのです。
亜鉛を摂ろう
こうなってくるとできるだけ亜鉛を摂取するするようにしたほうがいいのがわかります。
成人では1日15mgの亜鉛の摂取が必要とされています。
ところが、先程も書いたように添加物が亜鉛の摂取を妨害してきます。
亜鉛を含んでいる食品を取るのはもちろん大切なのですが、それと同時に添加物があまり含まれていないものを食べるのも大切なことです。
また、亜鉛の効果を引き出すにはビタミンやミネラルなども必要です。
つまりは、バランスの取れた食事をするというのが、健康にはやっぱり大切なことなのです。
まとめ
ぱっと見関係なさそうだった肝臓と味覚障害ですが、実は関係があることがわかりました。
そのポイントは亜鉛です。
肝機能の低下が亜鉛を体外に出してしまうのです。
肝臓が悪いとせっかく摂った亜鉛も無駄になってしまうかもしれません。
もし味覚が変だと思ったら亜鉛を摂ってみてください。
それでもだめな場合は肝臓に原因があるかもしれません。
肝臓の健康が私達の体にたくさんの影響があることがよくわかりました。
肝臓に不安のある方はぜひ労ってあげてください。