酒飲みの一番の心配は何と言っても肝臓です。
いつ健康診断でダメ出しを食らうかとヒヤヒヤしながら、けれど誘惑には勝てずに飲んでしまう日々です。
酒が飲めるぞー、なんて歌にもありますが、何もなくても酒飲みはお酒を飲んじゃうのです。
けれど、ある時いきなり医者に言われてもそう簡単に断酒は出来ないものです。
うちの父も酒飲みですが、本当はダメだと言われてるのに飲んでます。駄目なオヤジです。
だとしたら、出来るだけ肝臓に負担のかかるものをお酒以外で減らす方向で考えなくてはいけません。
先にいいますが、お酒を止められるなら、それが一番です。
それがどうしても嫌だという人に、代わりにちょっと食べ方を考えようという提案です。
その提案の1つが牛肉です。
確かにお肉の中では脂身の多いお肉ですが、そんなに肝臓に負荷がかかるようには思えません。
牛肉は肝臓に良くないのでしょうか。
肝臓のお仕事
まず肝臓に良いか悪いかを知る前に、肝臓はどんな臓器なのかを知りましょう。
肝臓は臓器の中でも重要な役割を果たしてる臓器と言えます。
肝臓には大きく分けて3つの働きがあります。
1つ目は代謝です。
食べ物から摂取した糖質・タンパク質・脂肪を体内で使う形に変えて余分なものは貯蓄し、いざという時に使えるようにします。
2つ目は解毒です。
体内に入ってきた毒はもちろんですが、体内で発生してしまう有毒なものも肝臓で解毒されます。
外から入ってくるものの一番はアルコールです。
そして薬も体のために必要なのですが、毒でもあります。
そして、体内で発生するアンモニアは超有害物質で、溜まってしまうと命にも関わってきます。
このようなものを無害なものに変えてくれるのが肝臓の働きです。
3つ目は胆汁の生成です。
胆汁は脂肪の消化吸収に欠かせないものです。
これを作ることができるのは肝臓だけです。
このように肝臓は休むことなく多くの仕事をこなしている臓器です。
沢山の血管が通り、多くの血液が使われ、何千とも言われる酵素を使い500以上もの化学反応を起こし続けています。
肝臓と同じ働きをするものを人間は未だに作ることが出来ていません。
それほどにすごい臓器なのです。
肝臓の健康はすべての臓器の健康の中心と言っても過言ではありません。
肝臓が健康であるということは、それだけ大切なことなのです。
肝臓の病気
そんな肝臓、やることがたくさんあるのでちょっとやそっとのことで壊れる訳にはいきません。
少し切り取られても元に戻るという話は聞いたことがあると思います。
マウス実験では、2/3もの肝臓を切り取られたマウスも1週間後には元通りのサイズに戻ったと言います。
それほど再生能力に優れた臓器なのです。
もちろん、そんなことして元に戻る臓器は肝臓だけです。
けれど、酷使し続ければ、いずれガタが来ます。
その症状が出にくいことから沈黙の臓器なんて二つ名があるわけです。
そして、慢性化すると元に戻らなくなってしまうため、余裕ぶっこいてると後で痛い思いをすることになるのです。
脂肪肝はアルコール性、非アルコール性含め多くの人が抱えていますし、そこから肝炎、肝硬変。
肝がんと辿ってしまうことも少なくありません。
大切にしてあげなくてはいけない臓器なのです。
牛肉との相性
では、牛肉は肝臓にいいのでしょうか、悪いのでしょうか。
肝臓には良質なタンパク質を摂ることが推奨されます。
牛肉はもちろん良質なタンパク質を豊富に含んでいます。
それだけ見れば、肝臓のためには悪い食品とは言えません。
ところが、肝臓に良いタンパク質食品を順位付けすると、牛肉は6位とかなり低い位置にいます。
これは、良質なタンパク質源ではあるものの、脂肪分が多く、消化吸収が悪いことが原因です。
肝臓は先程も書いたように、代謝という働きがあります。
消化吸収が悪い牛肉はどうしてもここで肝臓に負担をかけてしまいます。
なので、肝臓に良い食品とはいい切ることが出来ないのです。
ですが、じゃがいもを一緒に食べることで消化吸収を助けてくれます。
単体で食べると肝臓には負担になってしまいますが、食べ方を工夫することで、良質なタンパク質ですので、肝臓にいい食べ物になるのです。
まとめ
どんな食べ物のもいい面と悪い面があります。
特に何かの病気などの場合、その食品は薬にも毒にも変わってしまいます。
けれど、全てが悪いわけではなく、工夫次第で変えることが出来ます。
牛肉は、それだけだと肝臓に悪いかもしれませんが、完全に除外しなくてはならないような食品ではありません。
脂身の少ない部分を選んだり、消化を助けてくれる食品と一緒に食べることで肝臓に負担をかけないいい食品にもなります。
ちょっと肝臓の調子が気になるなと思ったら、牛肉の食べ方を是非工夫してみてください。